前回の記事で記載いたしましたが、電力会社による太陽光発電の新規受け入れの停止が発表され2週間がたちました。
今後の太陽光発電がどうなるかが気になるところですが、今回新規太陽光発電の受け入れ停止を発表したのはどれも地方の電力会社です。
当然ですが、地方の方が土地代が安いため、企業のメガソーラの進出が集中し、地方の需要電力を上回ってしまったからです。
都市圏では電力需要はまだあるため、都市圏への電力供給が可能なインフラが整備されていれば問題なかったのですが、それが無いうちに発電施設だけが増えてしまったのが現状です。
いわば政府の政策の見通しの甘さといわざるをえません。
ただ、電力会社の責任もどこまでこのことについて政府に警告していたかにもよりますし、今回のような強硬な方法を取る前に、段階的な受け入れ制限を行い、政府に圧力をかけていくのが、お客様である電力消費者にたいするスジというものではないかと思います。
では、今後の太陽光発電はどうなっていくのでしょうか?
まず、大都市圏へのインフラが短期間で整備される可能性は考えにくいでしょう。
多額の資金が必要になりますし、財源を電力会社に求めることはできません。
電力会社が負担するならば、自社の利益にならない太陽光が発電した電気を都市圏に送る設備なのですから、インフラ使用料として消費者から電気量の値上げという形で徴収するしかありません。
既に電気料金に売電で購入した電気量を政府の政策で乗せているため、政府の政策ではなく、電力会社の決定となると消費者からの、かなりの反発が予測されます。
そうなりますと、政府が政策として行なうことが考えられますが、法案の成立等のスピードから考えますと、時間がかかるのは明らかです。又、決まったとしても、インフラの整備には多大な時間が必要となります。
よって予測としては、今後は各電力会社とも、家庭用の10kw以下の太陽光発電の新規受け入れも徐々に停止していき、今後、インフラの整備を待って再度受け入れを再開していくことになると思われます。
ただ、電力会社は電力需給の計算に、現在停止している原発の発電電力を計算に入れています。
太陽光発電のように不安定な発電だけでは電力の安定供給は出来ないので、原発が必要であるというのが電力会社の主張ですが、技術的な問題はあるにしろ、蓄電という観点を無視しているため、今後の世論の動きによっては、原発用の発電枠が開放される可能性もあります。
ですが、どの内容も、すぐに解決する問題ではないので、電力会社による新規太陽光発電の契約停止はその範囲を拡大していき、いずれ家庭用の10kw以下の新規契約も出来なくなると思われます。
では、既に電力会社との契約が終了している太陽光発電はといいますと、10年・20年の電力買取単価固定は政府が政策として決定したものなので、この単価が下がることは政府の威信にかけてないと思われます。
合法的に政府がとれる方策としては、来年度のクリーン再生エネルギー買取単価(太陽光による売電単価)は、毎年政府が需要と供給を見て、変更することになっておりますので、その買取単価を大幅に下げることぐらいです。
今後の事態収拾に向け、新たな新規参入を抑制するためにも、一旦買い取り単価は下げてくることが予測されます。
もちろん、クリーンエネルギー買取価格固定制度自体の事実上の停止(崩壊)を意味しますので、政府もある程度の価格は維持したいという考えもあるでしょうから、その間をついた、売電側としては魅力は無いが、通常の電気料金よりは高いといった単価になることが予測されます。
そこで時間を稼ぎ、政府としては、電力会社の発電施設と送電施設の分社化や、送電インフラに新たな民間企業参入のメリットを与える等の新たな政策を検討していくこととなるでしょう。
よって、現状、新規太陽光発電の契約停止をしていない電力会社でも、来年度には、政府政策として電気の買取単価が大幅にさがることが予測されるため、来年3月までに契約をすませておくべきです。
又、地方の電力会社でも、現状、家庭用の10kw以下の太陽光発電の新規契約を受け入れている電力会社の地域の方は、早急に契約を進め、同じく来年3月には契約を完了させておくべきでしょう。
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